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展覧会 森嶋一也 「巡」
会期:2009年10月31日(土)-11月8日(日)
時間:12:00-20:00
会場:gallery POINT
レセプションパーティー:10月30日(金)19:00〜21:00

本展に関するお問い合わせ 


キリスト教の三大聖地のひとつスペイン北西部の
サンティアゴ・デ・コンポステーラを目指し、徒歩で約800Kmの道のりを歩く。
フォトグラファー・森嶋一也の巡礼と彷徨の旅を綴った初の個展。


作品紹介
森嶋一也から「写真展をやることにした」と聞いた。初個展だ。会場に並べられる写真は、彼の"作品"に違いない。
では、普段、ぼくが森嶋一也に頼んで撮ってもらっていた写真は、一体、彼にとって何なのだろう? 
依頼主(=雑誌編集者としてのぼく)がいるわけだから、"仕事"と考えているのだろうか?
こちらとしては、自分が撮ったとしても目で見ているものしか写らない、あるいは目で見ているもの以下にしか写せない対象を
目に見えている以上のものにしてくれるからこそ、彼にお願いするのであって、写真を撮ることに関しての"プロフェッショナル"と
"アマチュア"の差は、少なくともぼくには明快だ。
しかし、プロのフォトグラファーが"作品"と"仕事"をどのように線引きしているのかがわからない。
そもそも線引きなどあるのだろうか? 他の雑誌に彼の名前がクレジットされているとき、
ぼくはそれを彼の最近の"仕事"として眺めている。よく考えてみれば、ぼくは森嶋一也の"作品"を見たことがない。
一度だけ、「写真を見てほしい」と言われたことがあるけれど、そのときも"作品"とは言わなかったはずだ。
約束の日、森嶋一也は大きな巻物のようなものを肩にかついで編集部に現れた。
巻物の正体は、自分が撮った写真をひたすら横に長くつないだものだった。
彼はニヤニヤしながらそれを床に広げた。その馬鹿げたやり方が気に入って、ぼくは彼に仕事を頼むことにしたのだが、
何が写っていたかは正直に言うとまるで覚えていない。あれは、彼の"作品"だったのだろうか?
"作品"と"仕事"についての疑問が解けるかもしれないと思うと、森嶋一也の初個展が楽しみでならない。
ただ、床に展示するのはなしにしてほしい。 岡本 仁(編集者)



"untitled"  polaroid/2009

プロフィール
森嶋一也/Kazuya Morishima 写真家
1964年京都市伏見区生まれ。
スタジオカメラマンとして東京で写真と出会い下積み後独立。
その後、ラッキーなことにスムーズにカメラマンとしての仕事をスタート。
現在、雑誌媒体を中心に、広告、CDジャケットなどで著名人のポートレートを中心にフリーのカメラマンとして活動中。
旅にまつわる仕事も多く、今まで訪れた国は数知れず。
過去の展覧会にフリーパーパー「TIPSTARR」のためにベトナムで撮り下ろした写真を発表した「ロマンス」など。


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